萩尾望都 / コミック・アニメ

更新日:08-11-20 12H

 ここでの情報はAmazon より抽出しました。
あぶな坂HOTEL (クイーンズコミックス)

あぶな坂HOTEL (クイーンズコミックス)

/コミック
定価 ¥ 420
おすすめ度: おすすめ度:5.0 発売日: (2008年03月19日)
Review
萩尾作品で「あぶない」「坂」というと「あぶない坂の家」を思い出しますが、ここでの「あぶな坂」は上記の作品と同じでして「ヨモツヒラサカ」イザナギの尊が先立った妻イザナミを追って入った冥界、その帰り道に決して振り向いてはいけないといわれたのに見てしまい、最愛の女性の変わり果てた姿を見て遁走、この坂をでて無事にこの世に戻り、イザナミは出れなかった、というその「境」
このHOTELでは死んだが、まだよみがえる事のできるものたちが集います。そして冥府へいくか、生をとるかを選択する。さまざまな人間模様。
「あぶな坂HOTELの人々」グランドホテル形式に様々な人間が集い、絡み合った運命の糸でもつれあいます。
「女の一生」最初は少女としてあらわれた銀乃の一生を描きます。私はこれが一番好きですねー。。女の喜びを全うした人生だったのに、最後に少女に戻って、ずっと捜し求めた母と。。ウゥッ ティッシュくれw
「3人のホスト」ホストの名前や服装が今の時代とあってませんがwwこれも母子確執を描く萩尾氏お得意の作品
「雪山へ」設定の妙が冴える兄弟愛の作品。これも名作でしょう。舞台劇になりそうな感じですね。
「天使のはなし」あぶな坂シリーズではありませんが、人生の転機、それも外的な要因での変化が多い女性には身につまされる、とまどいと夢の一節。きっとその決断は、どんな形になっても後悔しないことでしょう。
もう、、続編ないのかなぁwこれだけのエピソードを中篇に凝縮する手腕はもう芸術品です。続編。。。まってますから。。。
百億の昼と千億の夜 (秋田文庫)

百億の昼と千億の夜 (秋田文庫)

/文庫
定価 ¥ 740
おすすめ度: おすすめ度:5.0 発売日: (1997年04月)
Review
これは私の人生の中で最も心に残る漫画。
この百億の〜は本当に考えさせられる。
アトランティスより始まり、
宇宙の終わりに辿り着く。
何回も読んで、何回もあの結末に辿り着く。
私自身が少し哲学史をかじっていた影響もあると思うが、
非常に膨大な世界観に、読んでいるうちに
引き込まれてしまう。
阿修羅はこの百億と千億の日々の果てに
続く永遠の戦いに何を見出すのか、
実際に読んで色々考えてみて欲しい。
山へ行く (flowers comicsシリーズここではない・どこか 1)

山へ行く (flowers comicsシリーズここではない・どこか 1)

/コミック
定価 ¥ 530
おすすめ度: おすすめ度:4.5 発売日: (2007年06月26日)
Review
コミックス前半の連作は全体的にとりとめがなく、これは萩尾さんだから許される物語だなと思った。実際、他の作家だったらとても間が保たないだろう。そう言う意味では、萩尾さんは別格。きっつい話もぼんやりした話も淡々と読ませてくれる。

そして、『柳の木』。
多くの方が熱くレビューされているので、これ以上語ることもない。
ただ、こんな話を読ませてくれる作家と同じ時代に生きることができて本当に幸せだと感じた。
ありがとうございました。
11人いる! (小学館文庫)

11人いる! (小学館文庫)

/文庫
定価 ¥ 590
おすすめ度: おすすめ度:5.0 発売日: (1994年11月)
Review
萩尾望都といえば『ポーの一族』等の代表作があり永遠の名作だが、あえてここは『11人いる!』の方を薦めておこうと思う。

SF好きの萩尾氏が宇宙を舞台に描いた本格的なSF作品のひとつである。


エリートのみが入学を許される宇宙大学への入学試験。
その最終試験に10人一組のグループが結成され、それぞれの試験会場へと振り分けられた。
主人公、タダトス・レーンの振り分けられたクラスは宇宙船白号で53日間を過ごすことを課題に出される。
――だが、白号にたどり着いた彼らは11人。
出発時には間違いなく10人だったのに、一人増えていた。

誰が11人目かという疑心暗鬼を胸に彼らは集団生活をはじめる。だが、次々に襲い掛かるトラブル、事故・争い・受験生を襲うパニック――何処までが試験で何処までが11人目の陰謀なのか?


孤立した宇宙船内で繰り広げられる受験生たちの葛藤と闘い、心の交流。訪れる意外な結末。
緊迫感のあるストーリー展開には息もつかせぬ勢いがある。

とにかく読んでみて欲しい作品である。
トーマの心臓 (小学館文庫)

トーマの心臓 (小学館文庫)

/文庫
定価 ¥ 710
おすすめ度: おすすめ度:5.0 発売日: (1995年08月)
Review
「 ユリスモールへ最後に。これがぼくの愛、ぼくの心臓の音。君にはわかっているはず」 突然の、衝撃的な「遺書」から物語は始まる。恋天使と呼ばれみんなに愛された少年トーマの、突然の死。 舞台はドイツのギムナジウム(キリスト教少年学校寮)。萩尾先生によって描かれる繊細で美しい世界で起こる、少年達の透明な日々に魅了されます。 この作品の放つ素晴らしい魅力は、流れるような綺麗な絵柄と、物語の端々に織り込まれた胸を突く詩、そしてひとりひとり個性溢れる少年たち。 掛け替えのない青春の日々を過ごす少年たちに、時に笑い、時に苦悩し、時に涙し…ひとたびページをめくったその時から、「トーマの心臓」の世界へぐいぐい引き込まれてゆきます。 暗い過去を背負い、誰かを愛し愛される資格など無いと心を閉ざしてしまった黒髪の少年ユリスモール。彼の苦悩を理解し、見守り続けてきた年上の少年オスカー。死んでしまったトーマに顔がそっくりの、おてんばな転校生エーリク。個性あるクラスメイトや上級生下級生たち。彼らは生き生きと物語を駆け抜け、彼らの心は愛や時に憎しみや理解を経て成長し、読者の胸に「愛とは何か」と投げかける。 是非手にとって頂き、じっくりと堪能してほしい一冊。読み終わった後、清々しくも切ない想いが胸にじわりと響きます。 純粋すぎる愛の物語。 トーマの真意を知ったとき、あたたかな涙が頬を伝うでしょう。
バルバラ異界 (4) (flowers comics)

バルバラ異界 (4) (flowers comics)

/コミック
定価 ¥ 530
おすすめ度: おすすめ度:5.0 発売日: (2005年09月26日)
Review
 登場人物の肉付けがはっきりしていて、どこを切り取っても独立したエピソードになるので、誰に照準を当てればいいのかわからないくらい読み込める作品です。これがマンガだとは思えない切り口が斬新で、心理学的にもSFとしても、お勧め。親子の葛藤、親としての成長、離婚、思春期、老い、研究など、色んな角度から眺めてもそれぞれ面白い。短い作品なのに本当に盛りだくさんです。しいて言えば、タカとキリヤの父であるトキオが夢に入り込む才能を持っていることぐらい。
 地球以前の宇宙の歴史が遺伝子の中に隠れていて、癒しと再生の夢を見ながら眠っているという壮大なロマンの中で、「それぞれの人生を生きればいい」と潔く言い切る、ななみさんが好きです、個人的には。若返ってるんるんマリーエンバートしている時も、老いてもエズラを忘れられず愛して悩んでいるところも。
 未来の夢を紡いでいた青葉は、犠牲になった巫女よろしく消えていくけれど、それこそ死が生を支える象徴のように思えます。萩尾作品によく出てくる人物像の一人として神聖な死を迎える存在です。最近の望都さまの作品は私にはしんどかったので、今回は「銀の三角」以来はまりました。
ポーの一族 (1) (小学館文庫)

ポーの一族 (1) (小学館文庫)

/文庫
定価 ¥ 590
おすすめ度: おすすめ度:5.0 発売日: (1998年07月)
Review

ヴァンパネラとなり、不老不死となってしまった少年エドガー。
彼の生きる時間はあまりに長く、この作品は
ヴァンパネラになる前の話。
ヴァンパネラになった後の話を、
ところどころで時間軸を飛ばし…時を越えたり過去に戻ったりで…描かれている。

永遠に少年の姿のままで旅を続ける少年、少女達。
二百年もの長い年月を生きながら、出会いと別れを繰り返していく。
そして最後には、彼に魅入られた人々が謎を明かそうとする。
時を越えて存在した少年。
人間の一生という短い時間を越えて、読んでいる自らも時を越えられる気がする作品でした。
訪問者 (小学館文庫)

訪問者 (小学館文庫)

/文庫
定価 ¥ 590
おすすめ度: おすすめ度:5.0 発売日: (1995年08月)
Review
きっと心の中に、「捨てられた子供」の経験がある人なのでしょうね。
精神的な意味での捨て子を含めて。

彼女の作品に多く登場するこのテーマに涙を流しながら共感し、そうして
いずれ自分も癒されていく・・そういった方が他にも大勢いることが
「捨てられた子供」にとってはせめてもの救いです。

そして最近、萩尾氏自身もそういった子供で、描くことで自分を癒しているのかなとも
思うようになりました。

あぶない丘の家 (小学館文庫)

/文庫
定価 ¥ 840
おすすめ度: おすすめ度:5.0 発売日: (2001年11月)
Review
さすが,ユーモア+SF+ストーリーの萩尾世界!単なるSFにとどまらず,奥行きのあるストーリー展開は彼女ならではの世界。「11人いる」よりもユーモア性に飛んでおり読後の創造力を読者が問われる。またNHKよりも先に「義経」に興味を持ち彼女ならではの意見!?を述べている。先見の明のある萩尾世界は,これからももっと広がりを見せると十分期待できる。その一冊です。
 特に最後は,壮大な終わり方。余韻にひたれながら,読後の自分の世界を構築できること間違いなし!!

ポーの一族 1 (1) (フラワーコミックススペシャル 萩尾望都パーフェクトセレクション 6)

ポーの一族 1 (1) (フラワーコミックススペシャル 萩尾望都パーフェクトセレクション 6)

/コミック
定価 ¥ 1,680
おすすめ度: おすすめ度:5.0 発売日: (2007年11月26日)
Review
「ポーの一族」の中には、“存在” への問いかけが溢れてると思います。

永遠の時を生きられるバンパネラ、異端とされるバンパネラは、
“存在” について考えさせてくれます。

なかなかバンパネラになりきれない心をもち、でも人間でもないエドガー。
大人でも子供でもなく、思春期の少年のまま、時が止まったエドガー。
そんな狭間の存在のエドガーをはじめ、
妹のメリーベルも、「ポーの一族」の中の他の人々も、
“存在” について考えさせてくれます。

狭間の存在のエドガーは、
常に、自分という存在について葛藤し、

また、最愛の存在を失ったエドガーは、
失われた存在への想いと悲しみを痛いほど感じながら、
その存在のいない世界で、永い永い時を生きることになります。

エドガーの終わりのない、深い想い、悲しみ、悔いは、
私の想いとも重なっていて、心が締めつけられるようです。
でも、まるで同じ想いだから、癒されもします。

バルバラ異界 (3) (flowers comics)

/コミック
定価 ¥ 530
おすすめ度: おすすめ度:4.5 発売日: (2004年12月20日)
Review
この巻も読ませます。うならせます。

前巻までとちがうのは、「いま」のこちら側の世界だけが舞台になっていることと、おどろおどろし度が低いことでしょう。キリヤの母が前世の恋人と慕いきっているヨハネが鍵となり、筋がうねり、人々が動きまわります。そして火星の眠り姫青羽のもとにみなが集結してくることでなにかが起こりそうな予感。

謎と謎の結び目が少しずつ解きほぐされていきます。が、主要人物のひとりに関するあらたな疑問がわきおこります。

キャラたちのおとぼけや感情の爆発がストーリーにめりはりをつけ、飽きさせません。個人的にはマヒルさんのぶっとびぶりがなんとも楽しい。中高年の女性たちの焦りと惑いがなまなましい。作者特有のリズムある詩的なネームにつぼをくすぐられる。ちょっぴり残念だったのが、ルビのミス(地名)と脚注に興を醒まされたこと。

終局はいまだにまったく予測できません。ひたすらに4巻を待ちます。

バルバラ異界 (1) (flowers comics)

バルバラ異界 (1) (flowers comics)

/コミック
定価 ¥ 530
おすすめ度: おすすめ度:5.0 発売日: (2003年06月26日)
Review
今回ヒロイン誰かな〜と探してて、どの子もそれなりだけど今一ピンと来ない、と思っていたところで見つけました。

宝石のような娘。 まさに!

たとえ自分の娘に心臓を食べられた(食べさせた?)人だろうが
何度見ても美しい、茶菜。
萩尾先生の力量に、ここら辺のワンカットで圧倒される。
深く強い母親の愛情とともに、この作品一番の美を感じました。
バルバラ異界 (2) (flowers comics)

バルバラ異界 (2) (flowers comics)

/コミック
定価 ¥ 530
おすすめ度: おすすめ度:5.0 発売日: (2004年03月26日)
Review
いくつもの個人的な話が少しずつ重なって、無関係にみえていた人々をつなげてゆく。中心にある謎へ、いろいろな場所からいろいろな人が向かっている。それを妨害するものもいる。

その謎とは別のところで、親子関係の確執があり、恋愛があり、のろいがある。でも、それすらも、この物語の謎に繋がっていくような予感がする。複雑に絡まりあった蔓のようなストーリー。

1ページの情報量もすごい。視点がどこかに偏ることなく、全部の主人公、全部の出来事を読者に伝えるこの見事なバランス! ひとつの画面に三人の人物の心情が同時に吐露されているところとかがあって、うっとりする。

あれだけ多くの傑作をうみだし、またこれほどのものを生み出す萩尾望都ってすごすぎて、なんて言えばいいのかわからん。

ポーの一族 2 (2) (フラワーコミックススペシャル 萩尾望都パーフェクトセレクション 7)

ポーの一族 2 (2) (フラワーコミックススペシャル 萩尾望都パーフェクトセレクション 7)

/コミック
定価 ¥ 1,680
おすすめ度: おすすめ度:5.0 発売日: (2007年12月)
Review
「ポー・シリーズ」は元々『小鳥の巣』で終了する予定でしたので、後
から書き足された作品群を集めたフラワーコミックス第4巻と第5巻
は前期シリーズに比べて作品の質が落ちる分、評価を落として「★
4つ」としていました。
しかし、このパーフェクト・セレクション第2巻に掲載されている作品群
は内容はまったく同じですが、カラーページや各作品の扉絵が再現
されているのがとてもすばらしいため、「★5つ」としました。
とくに『エヴァンズの遺書』前編の扉絵(メリーベルの扉絵)は、今ま
でどの作品集・イラスト集にも掲載されていなかった“幻の扉絵”なの
で『エディス』後編の扉絵再現とともに、やっと出会えた喜びに打ち
震えています。また『ランプトンは語る』の扉絵も、別コミ掲載時のと
おりのページ順に掲載されていて安心しました。

しかし『エディス』前編の扉絵の次ページ(「時の輪よ めぐりめぐれ 
生命のふたたび生まれるまでに〜」の詩が掲載されているページ)
は別コミ掲載時には中編の扉絵の次ページに掲載されたものです。
それと口絵カラー2〜3ページの見開きイラストは『小鳥の巣』までに
登場したキャラクターを集めたもので、1巻に掲載されるべきものだっ
たと思います。『トーマの心臓』以来、何度も記していますが編集者
の作品に対する無理解は、何とかならないものでしょうか?

なお、この2巻の作品群が1巻に掲載されている前期シリーズの作
品群に比べて質が落ちるというのは、単に私の主観や好みの問題
だけではなく、作者の作品に対する思い入れの問題でもあります。

1巻のレビューに記載したとおり、もともと『ポーの一族』は「吸血鬼
の兄妹のお話をかきたくてうずうずして」いたという作者の言葉どお
り、本来はエドガーとメリーベルの愛の物語だったわけで、それは『
小鳥の巣』でいったん完結しています。
その後『トーマの心臓』が不評だったため、連載を打ち切って『ポー
の一族』を再開しろと言い張る編集部に対し「なるべく早く終えます。
終えたら『ポー〜』の続きを描きます」とかわしながら、何とか『トーマ
〜』を終えた苦労話がエッセイ集『思い出を切りぬくとき』に紹介され
ています。
そうして編集部との約束で『ポー〜』を再開したものの、作者にはも
う前期シリーズのような情熱や思い入れが薄れていたのではない
か、むしろエドガーとアラン中心の作品を求める読者の「好み」(BL
的とまではいかないにしても)に迎合する作品作りに嫌気がさしてき
たのではないか。「違う!これは私の描きたかった話ではない!」と。

だから編集部から再開を要望される程の人気シリーズであったにも
関わらず、再開後の翌1976年に早々と完結させてしまったのでは
ないかと推測します。それは、『萩尾望都の世界』(徳間書店)での
インタビュー「『ポーの一族』は、まだ完結という形にはなっていませ
んが?」に対して、「いや、もう終わりました」、「もう描かないんです」
とかたくなに拒み続けていることからも、上記推測は間違いないも
のと思います。

それでも自身が「取りまとめが得意」と語るように、ほぼ完璧にこれ
らの作品群を締めくくった手腕は実に見事です。
『ふしぎの国のポーの一族』という本に、エディスのモデルとしてエ
ディス・M・L(未読の方のためにイニシャルだけに留める)が明らか
にされていますが、このエディス・M・Lは1876年に死去していま
す。
しからば百年後の1976年、あの火災で死すべきはエディスであっ
た。その運命をねじ曲げてエディスを救おうとした、その代償がアラ
ンの死であった。作者はそこまでを考えて1976年の完結を考えた
のでしょう。やはり萩尾望都、天才です!
ポーの一族 (2) (小学館文庫)

ポーの一族 (2) (小学館文庫)

/文庫
定価 ¥ 590
おすすめ度: おすすめ度:5.0 発売日: (1998年07月)
Review
時間を巧みに使って話を作り上げているのはすごい!

前に読んだエピソードとちょっと後に出てきた話が実は時間的に同じ頃だったなんていう設定がたまらなく面白い。それだけでなく、話そのものも良く出来ているので何度読んでも飽きない。主人公エドガーの心の葛藤も全体の骨となり、彼の苦悩が物語にもうまく絡んでいる。最初に読んだのはもうかなり前だが、何年経っても新鮮なままだ。

ポーの一族 (3) (小学館文庫)

ポーの一族 (3) (小学館文庫)

/文庫
定価 ¥ 570
おすすめ度: おすすめ度:5.0 発売日: (1998年07月)
Review
最終章。なるほど、と思うか、え?そっちにしたの?と思うかは人それぞれでしょうが
では自分が読みたい結末は?と考えると、やはりこの終わり方が一番読みたい終わり方
だったと誰しも思うのではないでしょうか。

私の中で「耽美」の定義は「泉鏡花みたいなやつ」と思っていましたが今後は
「萩尾望都」もそこに加えます。

エドガーアランポーの名前について何かわかるのかとおもって読み進めましたが
これは結局単なる作者の遊び心だったみたいです。この遊び心だけが蛇足だと
感じます。

2巻の解説で、宮部みゆきが「天才」と評していましたが、まさに【天才】とは
こういう人のことをいうのでしょう。
半神 (小学館文庫)

半神 (小学館文庫)

/文庫
定価 ¥ 590
おすすめ度: おすすめ度:5.0 発売日: (1996年08月)
Review
 「半神」はもう書くまでもないようだ。16ページでこれだけの内容を書くというのは、やはりすごいことだと思う。
 他の方は触れていないが、この短編集の最後に載っている作品が、ブラッドベリ原作と言われてもいいぐらいの作品だ。その町は1年立つごとに、時間軸を動かす力を持った少女を中心に、町の大人たちの力を使って、1年前に戻ることをもう何年も繰り返している。なぜか。そのまま時が流れつづければ核戦争で滅びる運命にあるからだ。子どもたちには知られないように繰り返されてきた儀式を、ある日、主人公のマーモは大人たちの集会をのぞきに行って知ってしまう。自分には、大きくなって天文学者になることも、好きな女の子より背が高くなることもないことを。子どものまま永遠に時間がとまってしまうというのは、とても残酷なことのような気がする。
 萩尾作品の長編では「銀の三角」がお勧めだが、短編集なら、ぜひこれをどうぞ。
マージナル (3) (小学館文庫)

マージナル (3) (小学館文庫)

/文庫
定価 ¥ 610
おすすめ度: おすすめ度:4.5 発売日: (1999年08月)
Review
マージナルの世界は、すべての設定が奇妙。最初はそれがわからず苦痛でしたが
いつのまにかマージナルの常識が「普通」に思わされてしまいました。見事!

内容は、著者が自分の内心でどうしても憎んでしまうものに対しての罪滅ぼし?と
いう感じがします。つまり 多くの「子捨て」「鬼母」の話を書いてきた彼女が
「でもそんなことばかり言っていてはいけない」なのか「自分の母親を許さないと
いけない」と思ったのかな?と思うような内容でした。母性が描かれている気がしました。

そして、それを書くためにはこれだけねじまがった世界を
描かなければならないほど大変な心の葛藤があったのかなと思いました。
マージナル (2) (小学館文庫)

マージナル (2) (小学館文庫)

/文庫
定価 ¥ 600
おすすめ度: おすすめ度:5.0 発売日: (1999年08月)
Review
1巻のつまらなさがうそみたいに、急に展開が速く・奥深くなる2巻。
1巻は正直なところ、まだキャラクター構成が試行錯誤中だったのだろうか。
トーマの心臓 1 (1) (フラワーコミックススペシャル 萩尾望都パーフェクトセレクション 1)

トーマの心臓 1 (1) (フラワーコミックススペシャル 萩尾望都パーフェクトセレクション 1)

/コミック
定価 ¥ 1,470
おすすめ度: おすすめ度:4.0 発売日: (2007年07月26日)
Review
本書はあくまでコレクション用であって、読むため(作品鑑賞)のものではありません。そのため「★3つ」としました。
作品そのものはフラワーコミックスのレビューで評価しているとおり、文句なしに「★5つ」です。

本書のどういう点が作品鑑賞に不向きかというと、
1)一話ごとに左ページで終わり、次の話の扉絵も左ページなので、
  扉絵が見開きページの1話目を除き、残り32話すべて必ず扉絵
  の右ページが余白ページとなる。そのため話の連続性(リズム)
  が途切れる。
2)1巻と2巻との間が中途半端な途切れ方をしている。そのため1
  巻目を読み終えた時点では、そこまでの話に対する余韻がまっ
  たく感じられない。

以上2点はフラワーコミックスや萩尾望都作品集では感じられなかった、本書ならではの重大な欠点だと私は思います。

最近、オークション等で本作品のフラワーコミックスや萩尾望都作品集の出品が目立ちます。おそらく本書を購入した(あるいはこれから購入する)ので、今まで持っていた作品を手放してしまったのだと思いますが、私は本書を購入したからといって、手持ちのフラワーコミックスを手放す気にはまったくなれません。
本書はあくまで扉絵コレクション用と割り切って本棚に並べておき、読むのはフラワーコミックス(あるいは萩尾望都作品集)とするのが、本作品の楽しみ方だと思います。
(絵が小さく、また1冊で通して読むため巻ごとの余韻が楽しめない文庫本は論外)
トーマの心臓 2 (2) (フラワーコミックススペシャル 萩尾望都パーフェクトセレクション 2)

トーマの心臓 2 (2) (フラワーコミックススペシャル 萩尾望都パーフェクトセレクション 2)

/コミック
定価 ¥ 1,470
おすすめ度: おすすめ度:4.0 発売日: (2007年07月26日)
Review
このパーフェクトコレクションは、雑誌掲載時のカラー完全復元というのが一番の目玉でしょう。
また付録の「湖畔にて」は私は初めて読んだ上復元カラーでしたので、それだけでもうれしかった。
「ポーの一族」と「トーマの心臓」の良し悪しは、このシリーズの編集云々より個人の好みに
寄るところが大きいのではないかと思います。
私は「トーマの心臓」が好きですが、妹は「ポーの一族」にのめりこんでました。
私がこのマンガを初めて読んだのは今から20年以上前で、今回改めて読み返してみて
当時「こんな少女マンガがあったんだ」と受けた衝撃を思い出しました。
マンガ好きな中学生の娘もこのシリーズを読んで、カルチャーショックを受けたようです。
雑誌掲載時は1974年の「トーマの心臓」は、今の子どもにも感動を与えてくれます。
マージナル (1) (小学館文庫)

マージナル (1) (小学館文庫)

/文庫
定価 ¥ 620
おすすめ度: おすすめ度:5.0 発売日: (1999年07月)
Review
多分遠い未来の地球、ドームで保護された都市以外は不毛の砂漠。その都市の住民も砂漠の民もみな男ばかり。市民に子供を授ける「マザ」はすっかり年老いて、最早新しい子供は生まれない。そもそも何故世界はこんなに男ばかりで不毛(マージナル)なのか、市民は誰一人知らないために、既存の秩序を頑なに守ろうとしたり、「マザ」を暗殺しようとしたり、あるいは外界から警告を発するために訪れたり。大きな流れはその謎解きなのだが、それを巡る人間模様のエピソードも、大きなドラマに花を添える形で、最早お見事という他はない。「百億の昼と千億の夜」「スター・レッド」で描かれた管理文明の究極形態。
スター・レッド (フラワーコミックススペシャル 萩尾望都パーフェクトセレクション 8)

スター・レッド (フラワーコミックススペシャル 萩尾望都パーフェクトセレクション 8)

/コミック
定価 ¥ 1,680
おすすめ度: おすすめ度:5.0 発売日: (2008年01月25日)
Review
単行本の初版が出た昭和55年頃は萩尾望都さんの作品以外にベスターなどのSF作品も好きで読んでいたんですが、この作品には本当にやられたという記憶があります。
当時、ブッ飛んだ世界観と独特のメランコリックな描写のコンボに頭を持っていかれて、我に返るまで何度も何度も読み返しました。
萩尾望都さん程あらゆるジャンルに影響を与えた作家の作品が、20年以上経って読み返してもまだ古さを感じないというのは凄いことですね。
傑作です。映画化してくれないかな。
スター・レッド (小学館文庫)

スター・レッド (小学館文庫)

/文庫
定価 ¥ 840
おすすめ度: おすすめ度:4.5 発売日: (1995年04月)
Review
雑誌掲載時に読んでいます。
セイのコンタクト・レンズが壊されて、火星生まれの特徴である赤い瞳が晒されたとき、雑誌の一色刷りの印刷なのに、その瞳が真紅に見えました。
文庫だと分かり辛いかも知れませんが。
萩尾望都の演出と作画のすごさが分かるカットでした。


11人いる! (フラワーコミックススペシャル 萩尾望都パーフェクトセレクション 3)

11人いる! (フラワーコミックススペシャル 萩尾望都パーフェクトセレクション 3)

/コミック
定価 ¥ 1,680
おすすめ度: おすすめ度:4.0 発売日: (2007年08月24日)
Review
「11人いる!」は、確か当初前編・後編の2回のはずだったのが、急遽3回になったものだったと思います。実際別コミへの掲載は3回に分かれていました。
本書にはこの3回目の扉絵が掲載されておらず、「惜しい!」の一言。これがあればパーフェクトだったのになぁ。残念です。ちなみに101ページが2回目の最後のページです。
それでも、カラーページは再現されているし、大きさも良いのでお勧めといえます。
半神―短編傑作集 (フラワーコミックススペシャル 萩尾望都パーフェクトセレクション 9)

半神―短編傑作集 (フラワーコミックススペシャル 萩尾望都パーフェクトセレクション 9)

/コミック
定価 ¥ 1,680
おすすめ度: おすすめ度:4.5 発売日: (2008年02月)
Review
 この一冊に入っている短編はすべて持っているので、この本が出たとき買おうか買うまいかものすごく悩みました(スペースの関係で) でも買ってよかったです。何といってもまんがは絵だから、サイズが大きくなると感動が違うんですよね。どれ一つとっても筋金入りの傑作ばかり! それをこのサイズで読めるのがほんとに嬉しい!! 「もう持っているから」とは思わないで下さい。特に文庫はまんがじゃありません。まんがというのは、絵とストーリーが挨待つ総合芸術です。お話の筋が分かればいいというものではありません。まして萩尾さんの作品は中身が深いんだから。そういう意味で、このサイズで出版してくれた小学館に感謝します。

A-A’ (小学館文庫)

/文庫
定価 ¥ 590
おすすめ度: おすすめ度:4.0 発売日: (2003年08月)
Review
 一角獣種(といっても頭に角があるわけではなく頭に盛り上がった部分があり、そこの髪が赤い)のヒロイン、アディ(A)は未開の惑星プロキシマの研究中に事故死し、そのクローン(A')が再生されてコンピューター・プロデュースの仕事を続行する。アディのオリジナル(A)に恋していたレグはクローンにオリジナルに対するような愛情を抱けない、いや、抱いているのかもしれないが、レグとの記憶のないクローンに身を引き裂かれるような感情を抱いてしまわざるを得ない。
 クローン羊ドリーの誕生や、理論的に人のクローンを作ることが可能となってしまった現在、科学が抱える問題を作品化(=SF)すると言う野心的な作品であるが、なんといっても萩尾 望都が一番描きたかったのは、やはり深い人間愛である。

感謝知らずの男 (小学館文庫)

/文庫
定価 ¥ 590
おすすめ度: おすすめ度:4.0 発売日: (2000年08月)
Review
 『ローマへの道』では脇役的存在だったレヴィが今回の主人公。不潔恐怖症という精神の病を背負い入退院を繰り返している兄を持っている。そしてレヴィはその病院のふくよかな看護婦ドーラに微妙な感情を抱いている…。はっきり言って、レヴィは自意識過剰である。だけど若者なんてみんな自意識過剰じゃない? わたしは、深い葛藤を経ず、スルスルと大人になっていった人に疑いの目を向ける。
 話は作品に戻して、レヴィは本当に美しい! それも過剰なまでの自意識を抱え込んでしまっているからこその美しさなのだ。故にまたとてつもなく不器用でもある。
11月のギムナジウム (小学館文庫)

11月のギムナジウム (小学館文庫)

/文庫
定価 ¥ 590
おすすめ度: おすすめ度:4.5 発売日: (1995年11月)
Review
傑作には間違いないっ!
少年愛ブームの先取りをいった作品だ。
モー様作品は最近は人の形がしっかりくっきりしてきた感じがするけど、この頃のは「流れるような線」が音楽みたいに心地よくて好き。
もちろん、今のも好きだけど、この作品とかこの頃のものはコマを飛び越えて空気が漂う感じがする。
でも、話も精密でしっかりしてるから読んでいて充実感がある。
何度でも読み返して何度でも味わい深い。
漫画でこんな感覚はそうはないだろう。
で、テーマとか話・・・それも美しいヨーロッパ映画みたいです。
恐るべき子どもたち (小学館文庫)

恐るべき子どもたち (小学館文庫)

/文庫
定価 ¥ 500
おすすめ度: おすすめ度:4.5 発売日: (1997年04月)
Review
コクトーの原作は読んでいません。
まったくストーリーを知らないまま読み始めたので、最初から読者を突き放したような
説明の少なさ、全編を通して感じさせる不安定感、違和感を越した不快感すら覚えながら
読み進めましたが、途中からそのバランスの悪さにひきつけられてしまいました。

他の作品との差を考えても、この作品での不安定さはわざとなのでしょう。
狙ってこの気持ち悪さをつくるとなると、なんとすごい技術なのでしょうか。

他の多くの作品と同じく「善意」で「身勝手」な誰か一人に振り回される周囲の不幸を
これほどまでに上手に描き出す彼女にも、きっとこの振り回された経験があるのでは
ないかなと感じました。
ローマへの道 (小学館文庫)

ローマへの道 (小学館文庫)

/文庫
定価 ¥ 590
おすすめ度: おすすめ度:4.0 発売日: (2000年08月)
Review
本作を読んだとき、私のバレエ知識はゼロ。でも、とってもおもしろかった。
萩尾さんて、普通の男女の恋愛ものも書いていたんですね。「マージナル」で萩尾さんを知ったので、本作は感動ものでした。
で、「残酷な神が支配する」で、嫌悪感で鳥肌たちました。
両極端?なものが生み出せるなんて、すごいなあ。
海のアリア (1) (小学館文庫)

海のアリア (1) (小学館文庫)

/文庫
定価 ¥ 590
おすすめ度: おすすめ度:4.5 発売日: (2001年08月)
Review
 題名からは想像も付かない展開の物語です。海は本当の海ばかりではなく、太古の海であり、果てしなく続く海であり、寄せては返す海であり、母なる海であり、生命の宝庫であり、よみがえりでもありました。1巻では、よみがえった命の在りようが、家族も知らない意外な一面を暴露しつつ、宇宙生命と合体して楽器となる不思議な過程を描いています。登場人物のそれぞれの個性は次巻で更に際立ちます。
 展開が純SFというよりも、ミステリーやホラーの要素を交えつつ、ちょっとコミカルな狂言的要素をも含んでいて、なおかつ華麗な絵柄を楽しめる一粒で何度でもおいしい作品となっています。
 心理学的に見ても様々な問題をはらみつつ、どのように展開していくのかハラハラドキドキの期待を裏切らない物語の第1巻です。
ウは宇宙船のウ (小学館文庫)

ウは宇宙船のウ (小学館文庫)

/文庫
定価 ¥ 520
おすすめ度: おすすめ度:5.0 発売日: (1997年08月)
Review
あの人のファンで、萩尾望都のこの作品を読んでない人に。
一言だけ。
ぜひ読んでください!!
ブラッドベリっていうと、言葉のつながりに音楽感じる人たくさんいるかと思います。
彼女の萩尾望都のこの作品は絵で同じ事を語ります。
絶対お勧めです。
ところで、高橋留美子は「うる星やつら」でおもいっきり彼の世界をパロった事があります。それはそれで、かなり屈折したところで、当時のおとこ衆の共感を得ました。
読み比べてみると、面白いかもです。

海のアリア (2) (小学館文庫)

/文庫
定価 ¥ 590
おすすめ度: おすすめ度:4.5 発売日: (2001年08月)
Review
萩尾さんの作品に一貫して描かれてある、自らをも施す神の愛。似たようなテーマでは「マージナル」の方が着想や完成度の点で上をいっているのかもしれませんが、私はこの「海のアリア」の方がより心に響くものがありました。アリアドに感応したアベルがダリダンのレクイエムを歌う箇所、もうここは美しすぎ!詩情あふれる幻想的なイラストレーションと言葉とで表現したこのシーンの素晴らしさには、涙が止まりませんでした。「ずっとこんな音楽が聴きたかった気がする・・・」リリドのセリフ通り、本当にイラストの向こうから音の波が押し寄せて来そうなんですよ。魂が回帰するための音の道、これぞ神の奏でるレクイエム。萩尾さんの天才にどっぷり浸れて、またも幸せ。

イグアナの娘 (小学館文庫)

/文庫
定価 ¥ 540
おすすめ度: おすすめ度:4.5 発売日: (2000年11月)
Review
 イグアナの姿で生まれた女の子を主人公とした表題作のほか、現在の普通の家庭が舞台の短編5編が掲載された本です。
 自分の姿がイグアナに見えている主人公が成長していく表題作は、設定が奇抜なのに淡々と描かれていて、各人の心の動きがよけい切なく伝わってきて、評判どおりの名作でした。 
 同作者の初期の作品「毛糸玉にじゃれないで」に似た雰囲気のお話の短編集でした。
 
ゴールデンライラック (小学館文庫)

ゴールデンライラック (小学館文庫)

/文庫
定価 ¥ 591
おすすめ度: おすすめ度:4.0 発売日: (1996年04月)
Review
この「ゴールデン・ライラック」を初めて読んだのは中学1年の時
いとこの家だが、たまたま目にした別冊少女コミックだった。
当時19・20世紀のファッションに興味がすごくあったし、TV放映された
「風と共に去りぬ」の主人公に「ゴールデン・ライラック」の主人公が
一寸似ているのもこの作品に魅かれたのだと思う。
その後この作品がなかなか忘れられなくていろんな書店を探し回ったのだが
高校生になってやっとコミックスを入手した。
それにしても同じ第一次世界大戦を題材としてとりあげても、大ヒットした
なかよしの「キャンディ・キャンディ」とはムードが全然違うなあと・・・。
私も当時大ファンだったが、どちらかと言うと絵は可愛らしさが重要視され
ファッションの時代考証は軽視されていたんじゃないかと思う。
それに比べると、「ゴールデン・ライラック」は短編ながら舞台となった
20世紀前半のイギリスのファッションの時代考証が正確で素晴らしいと思った。
女性のファッションが第一次世界大戦をはさんで激変しているのだ。
(ロングドレスからボーイッシュスタイル、現在見るような短いスカート)
文庫版ではカラーページが無くて残念だ、萩尾望都さんの華麗で繊細な
絵を見たかった、記憶では別冊少女コミックではカラーページがあったと思う。

金銀砂岸

金銀砂岸

/単行本
定価 ¥ 2,415
おすすめ度: おすすめ度:5.0 発売日: (2006年08月)
Review
 卑しくも萩尾望都のファンならば、やはり手元においておきたいイラスト集。最近の絵ではなくて、ポーの一族を終えて、一連の心理的にサディスティックな世界の極限を切り取って物語にするような最近の作風に至る前の、透き通った眼差しに貫かれた、リリカルな世界が展開する黄金期の絵柄・作風が満喫できる。

 収められている短編も、余りに切ない愛の世界で、神話とSFが渾然一体と化した情緒的なものだ。今の読者や往年のファンの心をわしづかみにする、珠玉の短編である。

 増補版なので、以前の版を持っている人には敢えてお勧めはしないが、これから買って揃えたいという人には、絶対お勧め。

銀の三角 (白泉社文庫)

/文庫
定価 ¥ 591
おすすめ度: おすすめ度:5.0 発売日: (1994年09月)
Review
作者の世界はあまりにも深く、精神的・心理的造詣の深さ、パスワードのように繰り返し現れるイメージ・「輪廻転生」「タイムパラドックス」「無情感」
「モザイク」そして人間の深層心理。まだ表しきれない感じがありますが、このすべてを含有しているのが「銀の三角」では?

初めて読んだときから不思議に頭からはなれないフレーズ
「古代、葦の葉のしげるみどりの岸辺で・・・」
ここに集約している世界観が作者の内部にあるのでは。

ちなみに、「半神」のなかに「左ききのイザン」がありますが「銀の三角」とつながっている(?)か近い世界のお話です。

読後はとても長い映画をみたような既視感におそわれる名著です。

残酷な神が支配する (10) (小学館文庫)

残酷な神が支配する (10) (小学館文庫)

/文庫
定価 ¥ 610
おすすめ度: おすすめ度:4.5 発売日: (2005年02月)
Review
愛というのは難しい。
あなたのためを思う,思って行動する。

でも,それって本当は自分のためなんじゃないの?
相手を,自分の望み通りにしたいんじゃないの?
自分の思い描いた通りの人にしたいんじゃないの?

そんなジレンマの中,語られる数々の「愛」

BLととらえる人もいるようです。
でも,物語の奥底,深い深いところにあるものは,
すべてを読まなければ伝わらないと思います。
多くの大人に,目を背けずに読んで欲しい物語です。
残酷な神が支配する (9) (小学館文庫)

残酷な神が支配する (9) (小学館文庫)

/文庫
定価 ¥ 610
おすすめ度: おすすめ度:4.5 発売日: (2005年02月)
Review
イアンの葛藤や主人公の心の傷の表現に、抽象的な表現が多いです。
この巻で、イアンは主人公と離れる決意をします。
しかし、平常でない主人公をどうしても放っておけず、
一緒に堕ちる事を選びます。

前半のヴァレンタインの懺悔には涙が出ました。
「人間は 神に許してもらうために神を創造したはずなのに
 わたしは 許してくれるわたしの神から遠ざかる」



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